遅ればせながら「矢野貴章」

遅ればせながら「矢野貴章」

「スイス」戦。

寝ぼけまなこで飛び起きた。

テレビを付ける。

前半終了前、押されっ放し。

さすが、ユーローは強いと思った。

ユーローなんて云うと、戦後生まれたばかりの「団塊世代」としては、ユーロ・ダラー。

ユダヤの人たちの資金が、世界を圧巻して、いわゆる、アメリカ合衆国マーシャル国務長官。
-マーシャル・プラン-
戦後復興の”白黒”鷲づかみ。
誰よりも這い上がろうとした、あの時代の「経済」を彷彿させる。

そんな「大学時代」の講義を思い出しながら。

無償の「ヨーロッパ復興計画」をだぶつかせていた。

後半、まるで昭和30年代後半からの、その世界の「潤沢な資金」が導入され、「日本」の興隆が始まったかのような「日本サッカーチーム」の機械回転音が高くなり始める。

松井のドリブル。切り替えし。

前半が日本陸軍歩哨報告後の作戦どおり。

味方後方から繰り出される矢弾を追って、アジア人独特のスピンで、松井は敵陣を翻弄する。
それをまた返して。
受けて中陣から変幻自在の中村俊介軍曹のスパイラルが空中に光り、”アルプスの山ひだ”を慄かす。

まさにその時。

後塵の影武者「稲本」「遠藤」が急に現れて。

直集の前後・左右が展開するのだ。

両翼には。

広島から駒野が。
大阪の駅で---タスキで送られた加地は。

あの時代に。

固くこころに誓ってふるさとをあとにした「出征兵士」のように。

異国の地で。

身を粉にして。

右岸と左岸から敵陣に飛び込んで行った。


--とうとう、敵陣のアンフエアーが起きる。--


0‐2が、後半35分で3‐2と逆転。


矢野貴章登場。

そして。もう何も云うことは無い。

矢野貴章。貴章だけの「世界」なのだから。

ただ、ひたすらに。もう、ひたすらに。

倒れても。また倒れても。

むっくり起き上がって。

ひたすら向かって行く。

ちゃんと。しっかり。信念を持った。ひとりの”選手と”して。

失敗したら、それは明日につなげば良い。

負けず嫌いだったらなおさら良い。

真摯なひたむきさを。

そして、延長2分。

遂に、矢野貴章は。

その日本代表のシュート。、

川崎からの「中村憲剛」一蹴の追撃に”アルプス”がひるんだところを、右足の皮一枚で「敵陣」を粉砕した。

'前線に出た直後の、敵方「ジュルー」上等兵に突破を許して、被害はあったけれど-。

そのあとの、同胞の傷みを感じて苦しむ君の若さがまたすがすがしい。

朝方の部屋で拍手をして、勝ちが決まってから。じわじわと喜びがうるんで行った。

もう二度とあってほしくない。「哀しみ」を越えて。確実な幸せの足取りに向かって。

たくましく。強く。

遅ればせながら「矢野貴章」

そして、ぼくたちもいる。
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