北陸を越えた夏はしっかりと

おもいでの大阪

ガンバ大阪戦に向かってしまった。

10日前日昼。白山駅で『青春18きっぷ』を買う。

新潟駅「くびきの〇」号に乗車する。柏崎駅まで。

『中越沖地震』は、駅前近くに家電製品から家に関わる大きな惨状が、どこまでも果てしなく続いていた。

かなしさを通り越して『虚無』の”広い市場”を見渡しているようだった。
芥川龍之介『或阿呆の一生』の一説がうかんだ。

20時過ぎ。富山駅で10日の陽は暮れた。

11日富山駅のいちばん電車で大阪へ向かう。

ガンバ大阪戦に負けて。翌朝12日5時過ぎ。

JR京都線『東淀川駅』のホテルを出て、京都・長浜・敦賀・福井・富山・直江津・柿崎。

行きも帰りも、柏崎駅から柿崎駅間はJRの代行バスだった。

鯨波駅前で誰もいない。

バスは停車した。

小さなスイカを持った若者が、たったひとり待っていた。

「発車します!」

熱い夏の夕暮れ。柏崎駅。
帰りの駅前の歩道の区分石も波打ったままに傾いていた。

試行運転でゆっくりとブレーキと加速の効いた『越後線』で白山駅に帰ることにした。

一度、越後吉田駅で乗り換えることになるが、21時ころには帰れるだろう。

一気につぶれた家屋がペチャンコになって、その隣の家のななめに傾いた瓦屋根の民家に雨しのぎの青いシートが半開きにめくれあがっている………

荒浜・礼拝・西山・石地・出雲崎-

負けるべくして負けた。マンツーマンの男の勝負に。そのガンバに負けた帰り道。

自然の大きさに慄いている私がいる。

♪『恋人岬』で君と語り合った潮風の話も。

線路と丘と砂浜で。

岩山を見つめて、「米山」まで。

「笠島」出身の中学校で教えてくれた、あの先生は元気でいらっしゃるだろうか・・。

冬場に食べた、あのエゴ天の。-
椎谷の海は大丈夫だろうか・。

小学校時代。臨海教育で泊まった、あの石地のお寺から、小さな町の通りに匂う「浜焼き」のイカの串は今も囲炉裏に立っているだろうか。

----ふと、おもいでの大阪を振り向いた。---

色取り取りの浴衣のガンバサポーターが美しかった。
日本古来の浴衣が美しかった。--

三日後の水曜日。夜。

ふるさと新潟の夏に。北陸を越えた夏はしっかりと。

「アルビレックス新潟」は、ホームで『名古屋グランパス』を打ち負かしていた。
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