荒ぶる戦いの白い風よ。清五郎の地にありがとう。

11日の浦和との戦いを迎える昼過ぎ、バスで新潟駅に向かった。

厚い雲の隙間から、わずかな陽が射しても、あっという間に左から右への北風は、それをかき消していた。

車窓から、万代橋を見つめて思った。

この冷たく厳しい北風が、清五郎の「東北電力ビッグスワン新潟スタジアム」まで届いて欲しいと。

荒ぶる戦いの白い風よ。清五郎の地に、勝利の風を運び給え。

---新潟港トンネル上を足早に吹く風は-

柳都大橋から万代橋を渡り-

八千代橋を過ぎて昭和大橋でJR越後線鉄橋の音を聞く-

千歳大橋で口笛鳴らし-

本川大橋で関屋大橋を右手に見て左舷の舵を切る-

平成大橋からなおも左カーブ-

新潟大橋上の新潟バイパス。来る間の風が-

すぐさま上越新幹線の鉄橋下を駆け抜ける-

親松排水機場の水門が左手に見える-

左直角で排水路に吹き込んで-

堤防沿いに上沼での鳥屋野潟湖面に出た時は---


吹雪を呼び込んで、竜巻のように猛り狂い給えることを期待した。


新潟駅から歩くことにした。

試合は、前半、セットプレイで永井雄一郎の頭突き(大木金太郎ばりの気合)の1点。

後半は、ワシントンの足蹴り(ヘラクレスばりの胸を張って)の1点。

後半35分。私は、恥ずかしながらスタジアムを降りた。

「負け戦」と肩を凄めて、湖畔道を歩いて、雪の中をとぼとぼと。
新潟駅まで歩いた。重い足取りで。

新潟バイパス下の信号待ちで、私より年配の女性に

「新潟勝ちましたか?」

「0-2で負けてましたから・・。」と私が。

後ろからの自転車の兄さんに

「あの、新潟負けましたよね?」

「イヤー、河原が1点。田中亜土夢がロスタイムで1点。引き分けです。」

驚き嬉しく歓喜で、その自転車を追いかけた。

「ほ。ほっ。ホントですか?」

心配そうに聞いて来られたおばさんは、もう遠くに消えていた。

「引き分けですってよ!」と言ったことは、どこかで覚えているのだが・・・。


引き分けと聞いてから、駅南通りの「自動車学校の」ライトに舞う雪。

見つめながら見上げて、踊りながら、手を広げて♪

「雪が。新潟を。勝たせてくれたと。」

まつげに白い雪が、ちらちら乗って、メルヘンな宵に目を瞬く。

河原の鮮やかなヘッデングゴール。

田中亜細土夢の飛び出し右蹴り必殺ボレーキックゴール。

土壇場の2得点。引き分けを、今回も見ることができなかった。

荒ぶる戦いの白い風よ。清五郎の地にありがとう。
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